■注意
■がくぽ×カイトでMWパロディ
■がくぽが美知夫でカイトが賀来
「ねぇカイト、ぼくはまた人を殺したよ」
艶のある唇にのぼるのは、生臭い血の話題。
黙っていれば美術品のような彼なのに、 繊手が織りだすのは猟奇的な蒔絵だけだった。
「今度は女にしてみたんだ。ベットの上で、首を絞められてもプレイの一環だと思っているんだ。馬鹿だと思わないか?」
神職に就くカイトが、同意などできるはずがない。
沈黙を気にせず、がくぽは愉快そうに言の穂を接いだ。
「チアノーゼで顔を真っ青にしちゃってさ。そこそこ面白い死に顔だったよ」
白魚のような手が、ほんの数時間前まで女の首を絞めていたのだろう。
死体はまだ車に積んでいるといっていたから、あれは清められていないまったきの殺人者の手なのだ。
彼はくすくす笑う。
「そうそう、あの青い顔見てたらあんたを思い出したんだ。カイトも首を絞めたら、瞳より青くなってくれるのかな? そう思ったら、なんだか欲情しちゃって」
白い手が、殺人者の手が、カイトの首筋をなぞる。
目蓋を伏せて、彼がなすままに任せてみる。
締められるのだろうか、という淡い不安と期待がうなじを舐めていた。
「慰めてくれるよね?」
そうするのが当然、とばかりにがくぽはカイトの口腔を侵した。
粘液と粘液が混じりあう水音がする。
反応し始める己の体が憎らしくて、カイトははじめて言葉を発した。
「……神が、」
けれど、それは熱のこもった喘ぎを誘うしかなかった。
解放された卑猥な情熱は、悪い酒のように我が身をめぐる。
ぐるぐると回る視界。意味もなくまなこから水滴が流れ落ちる。
「神が、このようなこと、お許しになるはずがない……!」
胸元の十字架を握りしめる。
がくぽを抱きしめることはしない。それがせめてもの抵抗。
けれど、殺人者はほんのわずかも意に介さずに口づけを続けてゆく。
床に落ちた涙滴が砕けた瞬間は、きっと神様も見ていない。
了