「いんこ、『あかまきがみあおまきがみきまきがみ』、って、10回言ってみて！」
「ん？　そりゃワケないけど……
　あかまきがみあおまきがみまきまきがみあかまきがみあおまきがみまきまきがみ赤まきがみ青まきがみ黄まきがみ赤まきがみ青まきがみ黄まきがみ赤まきがみ青まきがみ黄まきがみ赤まき紙青まき紙黄まき紙赤まき紙青まき紙黄まき紙赤巻き紙青巻き紙黄巻き紙赤巻き紙青巻き紙黄巻き紙赤巻き紙青巻き紙黄巻き紙
　言ったよ。それで？」
「うわっ、一度も噛まなかったわね。それじゃ、子どもの日に食べるものは？」
「散らし寿司か手巻き寿司だろ」
「うっ、なんで海苔巻きって引っかからないのよ！」
「当たり前。オレ、いちおう俳優だぜ？　こんなで引っかかってたまるかよ。
　……はーん。刑事さんこういうのは苦手なんだ」
「そ、そんなことないわよ」
「なら、オレのも言ってみてよ」
「いいわよ、受けてたとうじゃない」
「じゃ、『愛してる』って10回言ってみて」
「わかったわ。……愛してる愛してる愛してる愛してる愛してるあいしてる愛してる
　あいしてるあいしてるあいしてる!!
　問題はっ？」
「ないよ」
「は？」
「オレが聞きたかっただけ。じゃあね刑事さん、なかなか情熱的な告白をどうもありがとう」
「え……。ちょ、ちょっと待ちなさい、それどういうことよーーーっ!?」

了