王は
王は
砂塵に舞う問いかけは、王に届くことなく飛散する。
問われるは、名を奪われた王の
金を纏った肉は干からび、玉を飾った骨は渇いていた。
生気をなくし枯れきった肉体だけが、虚しく砂に埋もれている。
彼の名を知る者はいない。
彼は彼の名を記憶を魂を、闇とともに封じて逝った。
それが王たる己の務めと、微笑みさえしながら。
月は冴えざえと砂漠を照らす。
金のパズルのピースは、王だった少年の骸に献花のごとく散らばっている。
組みあげるものは、きっといない。
パズルは誕生した時から完成していた。これまでに組みあげた者は誰一人としていない。
王の封印はパズルの完成と共に解かれる。
王は何ゆえにパズルを選んだのか。
答えられる者もまた、いない。
王はもう、砂漠に横たわったままなのだから。
起きあがることなど、永遠にありえないのだから。
月光が冷やかに彼を射す。
風に洗われ、砂に削られ、亡骸はいずれ磨滅するだろう。
これは終わってしまった物語。
王も民の等しく滅び、救いなどカケラも与えられずに終わった崩壊の物語。
無残な亡骸をさらす少年王を救うことなど、誰にもできない。
――ただ一人、三千年の時を隔て、パズルを組み立てる少年を除いて。
了