そのさん。 〜書き出し〜

 そんなわけでだいたいのイメージは固まったので、文を書きだしていきます。
 イメージを文字に変換して紙面に叩きつけてく感じですかねー。
 パソコンで書く場合はキーボードに打ちこんでくのですが。
 番の文、つまりプロローグっぽいポエムな文から、具体的な文に入りはじめます。


 ところで、私は基本的に永遠の中二病患者です。
 なので隙あらばカッコイイ字面を使おうとします。
 「黒鴉」なんて字面。しかもカタカナで「 黒鴉 クロガラス 」とかルビ打っちゃう。
 冷静に考えればカラスは基本黒色の生物ですから、頭に黒なんてつけなくてもいいですし、
そもそも「烏」とか「鴉」とかいうカラスを表す漢字には「黒」って意味も含まれてるんで(cf.大辞泉) 重複表現だよねーとも思うのですが、「烏」や「鴉」に「黒」の意が含まれているって意識して
読んでる人は少ないだろうし、他の人が使っているのを見たとしても、そんなにひどい違和感は
ないだろうし……とか考えて、それらとカッコよさを天秤にかけたら、カッコよさに傾いたので。


 で、モノクロームな(=ちょっとやな感じな)イメージにしたいので、天気を曇らせることにします。
「曇り空」
「曇った空」
「灰色の空」
「じっとりと湿気を含んだ雲が空を覆い……」
など候補を出しつつも、「黒鴉」にあわせて漢字の「曇天」をチョイス。
 頭のなかに流れるDOESの「曇天」を ♪曇天の空をふらりふらふら歩く彼女は足軽の如く〜 
なんて口ずさんて、
 んじゃ――刑事さんもふらりふらふら悪魔の後をつけそうになって、踏みとどまる感じにしますかね。
 なんでふらりしちゃったかといえば、雑踏の中で見つけてしまったから。
 見知らぬはずの見知った姿――すなわち陽介を。
 そんな記憶のほころびを見つけた刑事さんはどうするかといえば、
きっと見なかったふりをするしかないんじゃないかと考えるわけです。
 というか、そこを掘り下げて悩み始まれますと、
オンリー打ち上げまでに書き終えられなくなりますので、今回はそんな打算によって、
万里子さんに目をつむっていただきます。(これはひどい)


 番の文。
 カラスの鳴き声は不吉な感じがするので鳴いていただきます。
「青い鳥」で万里たんは鳴き声だけで縮んじゃったよなぁ……と、原作を無視することに
抵抗感を覚えながら、でもアレルギーが出ることを前提にすれば許容範囲だよね?
とビクビクしながら縮まずに耐えていただく。


  10番の文で、文章中の主人公である刑事さんが登場したので、
サクッと情景(状況とか舞台とか、いわゆる背景的なもの)を描写します。
 都会であること、(陽介という悪魔を忍ばせるため)人が多いことが必要なので、
「摩天楼」
「群衆」
という単語をチョイス。
「摩天楼」はなんか個人的にNYやマンハッタンなイメージがまとわりついているのですが、
読み手にそんなことは特にないよなあたぶん……
 というかほかにビル群をあらわす単語のストックがなかったので採用。
 そして、「狭間」にあわせて「中」を感じに文字の柔らかい読みの単語を使いたいと
思ったのですが、思い浮かばなかったのでサレンダー。この一文は反省点多いです。
時間があったら推敲するんですけど……、という言い訳。


 11番の文。
 カラス(=鳥)とアレルギーという単語があるので、
読み手にはすでに万里たんとわかっているだろうと思いながらも、
「千里万里子は」と書いて、フルネームを主語にして、
主役が万里子さんだと(一応)確立させます。いんこも合わせてフルネーム。
「万里子はいんこを――」って名前だけでもいいかなと考えたんですが、なんか語感が
フルネームの時より良い感じじゃないので却下。
 このへんはザ・フィーリングです。なんとなくのかたまり。



 12番の文。
 神視点から万里子さんの視点に入ったことを表すために、手っ取り早くカッコを使用。
 心のなかの発話は、視点が誰のものであるか示すのに一番手っ取り早いと思うんですよね。
 どうも、易きに流れまくりの尾雲です。


 13番の文。
 万里子さんが何故群衆のなかにいるのか説明。刑事さんが盗みをするいんこを追いかけるのはテンプレなので、 そんなに説明しなくてもいいかなと思って適当に。


 14番の文。
 「緑色の〜見当たらない。」のあたりで、(曇天の下)灰色がかった群衆のなか、
緑を幻視しては消え、銀を幻視しては消え、というイメージで書いたのですが、
今見ると全然そんな感じがしないなぁ、と反省。


 15番の文。
 なんだかカラスがたくさん鳴くので、鳴き声が作中にリフレインする感じにしようかなー
などと思い始めます。
『噫無常』の「またとなけめ」の注釈を思い出して、 それにつなげようかと思いますが、ポーの『大鴉』をちゃんと読んでいないので却下。
『ポーの一族』が好きならポーの代表作ぐらいあたっとけよって感じですね。反省。
 本来の『大鴉』ではなく、注釈から得たイメージからなんとなく感じ取った『大鴉』っぽい何か的なイメージで行くことにする。
 もしかして:ただリフレインするだけ。

 ちなみに最初の「黒鴉」以降、「カラス」という表記になっていますが、
それは『大鴉』のイメージをボツったってのもありますが、
 カッコいい表記ってのはここぞって時だけにしないと逆にカッコ悪くなる!
 と思っているからです(キリッ)

 以降のカラスは「カラス」表記にするかなと思いながら
どっから鳴き声が聞こえるのか詳しく説明できていないのを気持ち悪く思いつつ、
 16番の文の「ゲンが悪い」なんて言葉は現代に、というか読み手に通じるのか
ちょっと不安に思いつつ、場面を切り替えるために17番の文へ。
 心のなかの発話は、場面を切り替えるのに一番手っ取り早いと思うんですよね。
 どうも、易きに流れまくりの(ry



 18〜19番の文は、「結婚申込」で千里パパが言っていた
「なくなったおかあさんが鳥の羽アレルギーだった 遺伝なんだよ」というセリフから。
「千里万里子の産みの母」という存在はいないはずなのに、千里警部は何を言ってるんだ……。
 と思うんですが、今回その掘り下げは必要ないのでカット。
 いつか書きたいと考えながら、万里子の思考を自らの鳥アレルギーに向けさせます。
 同時に、読み手に実在しない母を信じている刑事さんを見せることで、この文章中の刑事さんは終幕以前(モモ子の記憶を喪っている)と知らせます。


 20〜21番の文で、万里子の思考(内側)から、万里子の感覚(外側)へチェンジ。
 カラスのリフレインを使います。外側を描写するために、
(そして冒頭のポエムから一度も触れられていないハロウィンを作中に取り入れるため)
描写にオレンジとブラックを加えます。
 ブラックを「黒」と書かなかったのは、「オレンジ」というカタカナの単語にあわせるためと、
「黒」という単語をカラスと陽介にだけにまつわるものにしたかったため。
 単純にハロウィンという外来語のイメージにあわせたというのもありますが。

















余談その6

 あ、このさいなんで告白しちゃいますが、私、書いてる文章のなかに
わりとガンガン造語出してます。
 あえて辞書に逆らったりもしてますので、あんまり信用しないでくださいね。
 カッコよさ重視、永遠の中二病、耽美派大好きの尾雲です。
 辞書に載っていない単語を、割と容易に出す傾向があります。お気をつけを。

 ほんっとーに余談ですが、こういう「黒鴉」に至るまでの葛藤的なものを
読み手は知らなくていいし、知らせる必要もないと(私は)考えています。
 メイキングだから書いているだけで。
「黒」という色彩のイメージと「鴉」というちょっと気取ってカチッとしたイメージ。
 これがなんとなく心にあれば、成功なのではないかなーと思います。

 だからできれば、私が書いた他の文章を読むときはこれらの葛藤があったってことを忘れて呼んでほしいなーと思います。
 そうでないと、私が恥ずかしい……!

 ……まぁ、それを言ったらメイキングなんて
すべてがすべて恥ずかしいものなんですけども……!!!
















余談その7

 余談ですが、この歌詞は間違ってます。
 正しいの引用するとじゃすらっくさんに怒られそうというのと、その時はそんなうろ覚えの歌詞が頭のなかに流れたんです……(´・ω・`)
















余談その8

 余談ですが、この考えは間違っています。またかよ。
 後で調べたんですが、「摩天楼」はNYのスカイスクレーパーなる物の訳語らしいです。
 だいぶ一般名詞化しているとは思うのですが、NY発祥ということで、上は微妙におかしいことを言っているのでここで訂正とお詫びを。
 ごめんなさいorz
















余談その9

 余談ですが、『護法少女ソワカちゃん』面白いです。
 サブカル系のネタがぎっしりつまっているので、わかる人にはわかるけど、
わからない人にはさっぱりわからないって感じの作りで、
正直私もネタの半分もわかってないのですがリンク先のwikiさんがとってもまとまっていて、すごく勉強になります。
 ヴィレッジヴァンガードが好きな人はきっとはまると思うの。